こんにちは Aki です。
今回は文部科学省-国際教育課が令和3年5月1日現在で行った、『日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査』の結果から日本でいかに日本語が大切なのか、ということについてまとめてみます。
なんだか、かたっ苦しい調査のはなしだと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが。。
簡単に説明すると、
- 日本在住の外国籍の生徒
- (海外で生活していた子どもが日本に帰国した) 帰国子女 など
のなかで、日本語力が一般生徒においつかず、日本語指導を必要とする生徒がどのくらい公立小、中、高の学校で受け入れられているか?のリサーチで、そういった生徒にたいする、日本語指導の改善に役立てているそうです。
この結果から、いろいろと読みとれることがあり、つくづく日本で生活していくためには、日本語力がいかに大切であるか、再認識させられました。
結論からいってしまうと、日本語指導を必要とする生徒の進学率、就職率などは低く、退学率は高いという結果です。
それを数字でわかりやすく、みて、感じて、最後に皆さんがそなえるべきポイントについてまとめています。
今現在、海外に在住されている方で、子どもと本帰国を考えている方には直接関係してくることであり、これから子どもを連れて海外転勤、海外移住を考えている方などには、近い将来、関連することがあるかもしれません。
たとえば、
- 親の海外転勤から、本帰国するお子さんは、日本の学校に編入、または受験することになるでしょうし、
- 子どもをつれて海外移住しても、実際住んでみて、やはり日本が住みやすい、、と帰国することも少なくありません。その時に、お子さんが日本の学校に編入、受験になるでしょう。
先のことはわかりませんし、予備知識として知っておくことに損はないです。
では、順にみていきましょう。
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
日本語指導がひつような生徒数は年々ふえている
文部科学省の調査結果
上のグラフからもわかるように、日本語指導がひつような生徒数は、
- 外国籍の生徒 (4分の1がポルトガル語を母語、ついで中国語)
- 日本国籍の生徒 (約30%は日本語使用者、約21%はフィリピン語使用者)
の両方で年々ふえています。
日本語指導が必要な生徒の進路状況
私が今回、この調査結果で1番気になったところです。
年々ふえている、日本語指導がひつような生徒数ですが、
令和4年の調査報告で新たに調査された項目において、
- 日本語指導が必要な中学生等の進路状況
というものがありました。
- 日本語指導が必要な高校生等の中退・進路状況
と合わせてみていきましょう。
日本語指導が必要な中学生等の進路状況
高等学校への進学率は、
89.9%で、全中学生等の進学率は99.2%
日本語指導が必要になった中学生では、
約10人に一人が高等学校への進学をしなかったという結果です。
日本語指導が必要な高校生等の中退率
高校生等の中退率は、
前回9.6%から5.5%に改善するも、全高校生の中退率1%と比べると、その差は大きいです。
日本語指導が必要になった高校生では、
約18人に一人が高校を中退していたという結果です。
日本語指導が必要な高校生の大学などへの進学状況
大学などに進学した生徒は、
前回42.2%から51.9%に改善するも、全高校生の進学率73.4%と比べると、その差は大きいです。
日本語指導が必要になった高校生では、
約2人に一人が大学などへの進学をしなかったという結果です。
日本語指導が必要な高校生の就職状況
就職者における非正規就職率は、
前回40%から39%に改善するも、全高校生の非正規就職率3.3%と比べると、その差はとても大きいです。
日本語指導が必要になった高校生では、
2.5人に一人が非正規就職をしなかったという結果で、全高校生の12倍!
さらに、
進学も就職もしていない者の率は、
前回の 18.2%から 13.4%と改善するも、全高校生の4.8%と比べると、その差はとても大きいです。
日本語指導が必要になった高校生では、
約7.5人に一人が進学も就職もしなかったという結果で、全高校生の2.8 倍!
まとめ
今回は、文部科学省が行った、『日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査』の結果から日本でいかに日本語が大切なのか、ということについてまとめてみました。
そこから見えてきたのは、
日本語指導が必要になった生徒と、そうではなかった生徒の進路状況を比べると、
そこには大きな差がみられるということでした。
このことから、
- 親の海外転勤から本帰国されるお子さん
- 海外移住してみたけど、やはり日本に帰国を決める
などの場合には、お子さんの編入、受験内容には十分に気を配るひつようがありますし、
はじめから近い将来の予定がみえている海外滞在であれば、
例えば、期限付きの
- 海外転勤
- 海外移住
- 海外留学 など
お子さんの年齢を逆算して、お子さんのどの年齢で日本に帰国し、編入になるのか、受験になるのか。。
そして、それを見越して、
海外でもお子さんに帰国してから必要最低限の日本語力を確保する必要があることを忘れてはいけません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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