こんにちは、Aki です。
今回はオーストラリアの公立中学校/高校の入学条件についてまとめてみたいとおもいます。
2015年(平成27年)まで、クイーンズランド州とウェスタンオーストラリアの小学校は7年生までありました。南オーストラリア州にいたっては7年生が中等教育に完全移行したのは2022年?!
つい最近まで、オーストラリアでは日本でいうところの中学1年生までは小学校で勉強していたことになります。
現在、オーストラリアの全州で小学校は6年生まで。
その後、一般的には日本でいうところの中学と高校の一貫校へと進学することになります(公立校の場合)。
日本とオーストラリアでは義務教育の年齢にもちがいがあります。
通常、オーストラリアでは日本でいう高校1年生終了の*16歳までが義務教育期間となります。
*州によっても年齢にちがいがあります。
>>>日本とオーストラリアの義務教育期間について過去記事でまとめてあります。
では、オーストラリアの公立中学/高校の入学条件などくわしくまとめてみたいとおもいます。
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
オーストラリアの公立中学/高校
まずは名称の確認ですが、日本では小学校、中学校、高等学校、、、となりますが、オーストラリアでは学年の区切りも少しちがいます。
オーストラリアでは日本の小学1年生はY1(イヤーワン)からはじまり、その後数字が足されていきます。
わかりやすく表にまとめてみます。
日本 | 年数 | オーストラリア | 年数 |
小学校 | 小1~小6 (6年間) | Primary | Y1~Y6 (6年間) |
中学校 | 中1~中3 (3年間) | *Secondary | Y7~Y12 (6年間) |
高等学校 | 高1~高3 (3年間) |
*Secondaryは”High school”や”Colleges”とよばれることもあります。
また、州によっては上の表の区切りとはちがうことがあります。
たとえば、
オーストラリア首都特別地区では、SecondaryがY7~Y10(4年間)でSenior secondaryはY11~Y12(2年間)。
ノーザンテリトリーでは、SecondaryがY7~Y9(3年間)でSenior secondaryはY10~Y12(3年間)。
ノーザンテリトリーの区切りは日本とおなじですね。
毎回、オーストラリアと日本の比較記事などでお伝えしていますが、オーストラリアでは州により決まりごとが異なります。時差もあれば祝日もちがったりします。
学校への入学受付期間
多くの公立中学/高校では、お子さんが小学6年生(Y6)、2学期(ターム2)の4月か5月ころに入学受付をする必要があります。
公立中学/高校の選びかた
学校選びはどうしたらいいのだろう?
中学/高校へと進むにつれ、勉強もどんどん難しくなっていきますし、学校によってはずいぶん特色もちがいます。お子さんの性格や、のばしてあげたい特技などあれば、学校選択はとても重要になってきます。
とはいえ、その土地で育ったかたは別として、わたしのように移民の場合など、学校の特色や評判というものはなかなかわかりません。
下に学校情報をあつめるヒントをまとめてみます。
- 他の保護者などからの学校情報に耳をかたむける
- 気になる学校のホームページをみてみる
- 学校のパンフレットや学校案内を参考にする
- 学校開放日、説明会、学校案内ツアーなどに参加
- ローカル新聞などで、学校の様子をみてみる
- 学校の学力ランキングなどの閲覧 など
- はじめはどこの学校がいいのか、見当もつきませんが、実際に気になる学校、住居校区内の学校に通われているお子さんをもつ保護者の意見などはとても参考になります。
- 学校のホームページでは学校の特色である、特別教科はどんなものがあるのか、また、進学クラス、語学、音楽、美術、スポーツなどの特別枠を募集しているお知らせもみることができます。
- 学校の開放日、説明会、学校案内ツアーでは実際に学校の雰囲気や学校が打ち出している学習理念などにも実際にふれることができる機会なのでおすすめです。
NAPLAN:ナプラン
数字が全てではないですが、学習に力をいれている学校では、おのずと全体の数字もついてきます。
オーストラリアでは毎年、奇数学年(3,5,7,9年生)の生徒がNAPLAN:ナプラン(National Assessment Program Literacy and Numeracy:読み書き能力と計算能力のテスト)を全国一斉(2023年から3月開催)で行っています。
その結果から下位と上位の生徒がどのくらいの割合でいる学校なのか集計しているのがオーストラリアの教育カリキュラムをまとめているacaraのホームページ(My School)で確認できます。
My Schoolでは、
- 全校生徒の人数
- 男女の比率
- 先住民族学生の比率
- 英語以外のバッググラウンドをもつ生徒の割合
- 生徒の家族背景(親の職業、学校教育、学校教育以外の教育)を示す基準の表示 など
が、たしかめられます。
何度も言いますが、数字だけが全てではありません。あくまで学校選びをするうえで参考にしていただければと思います。
My Schoolの使いかたを簡単に説明したYouTube動画があるので、参考まで。
1.校区内の学校に入学させる
日本と同じように、オーストラリアの多くの公立学校では校区が決められています。
お住いの校区にある学校にお子さんを通わせるのが一般的です。
お子さんが、公立小学校に通われている場合、通われている小学校から校区内の中学/高校の申し込み用紙を配布されるのも一般的です。小学校の先生が生徒を中学/高校の学校見学につれて行ったり、中学/高校のスタッフが小学校に訪問して、説明会をひらくこともあります。
公立校のなかでも成績優秀な学校がありますが、そのような中学/高校にも、校区内に住んでいるお子さんは、試験を受けずとも入学できます。
結婚してから先を見越して、将来お子さんを入学させたい学校のある地域に引っ越しされるご家庭もあります。
住宅事情:
とくに有名公立中学/高校の校区は家の価格が高く、家賃も高いです。自分の持ち家でなくとも、賃貸の物件に住んでいても、そのお子さんは校区内の学校に通えます。
賃貸物件の住所で入学受付する場合、学校によっては最低半年、1年などの不動産会社などとの契約証明書の提出が条件になります。
お子さんが在学中に校区外に引っ越しされる場合、転校を余儀なくされるケースが多いようです。学校によっては、1度入学したら、在学中に校区外に引っ越ししても、つづけて在学することを認める学校もあります。
2.校区外の学校に入学させる
校区外の学校にお子さんを入学させるメリットがみつかる場合があります。
- お子さんの能力に見合った教育が受けられる、特色をもった学校を選ぶ場合
- 校区内の学校に満足いかない場合 など
例えば、学校によっては、
- 発達障害/言語障害のある生徒へのサポートが手厚い学校
- 特別教科プログラムのある学校
- 学校のサイズ、雰囲気のちがい、施設の有無、成績優秀 など
受験
オーストラリアでも日本のような*お受験が存在します。
*公立小学校に入るための受験はありません
受験するメリット
- 校区外の中学/高校に入学できる
- セレクティブ・スクール(選抜校)への入学
- 音楽、アート、スポーツ、語学などの才能をよりのばせる学校への入学
- 現時点での実力を数字でしる など
一般的に評判の高い中学/高校の校区内にある土地や家は高騰しています。受験に合格したら、校区外の家に住みながら、通学することができます。
ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、西オーストラリア州には、公立中学/高校の完全セレクティブ・スクールがあります。(受験で合格した生徒のみを入学させる学校)
学力いがいにも、音楽、アート、スポーツ、語学などのセレクティブ・スクールも存在する。
オーストラリアの全国一斉で行われるNAPLAN:ナプランは奇数学年に受験するので、2年に1度しか全国的にどの位置に自分の成績があるのか、知ることができません。セレクティブ・スクールの試験では、州単位の成績になりますが、お子さんの個別のテスト結果から、得意、不得意の分野がわかることで、不得意を集中してのばすことができるかもしれません。NAPLANとおなじく、お子さんのそれぞれのテスト結果が全体のどの位置にあるのかもしることができます。
セレクティブ・スクール試験科目
- 読解力
- アイディアを表現する作品を書く
- 数学の文章問題、応用、問題解決
- 画像、図形問題 など、州によって多少のちがいあり
公立中学/高校の入学申し込みに必要なもの
公立中学/高校の入学申し込みは、入学する学校に申請書/登録フォームに次の情報を記入します。
- お子さんの名前、年齢、生年月日(お子さんの出生証明書のコピーも提出)
- 家族の連絡先、緊急連絡先
- 福祉情報(学校が個別の必要性をみたすため)
- お子さんに障害がある場合の診断レポート
- 予防接種証明書
- 家庭裁判所命令コピー(対象者のみ)
- お子さんがオーストラリア永住者ではない場合、パスポートやビザのコピー など
正式な必要事項は、直接学校に問い合わせましょう。
学費
基本的には日本とおなじく、公立中学校の授業料は無償(オーストラリア市民権、永住権保持者のみ)。
日本と大きくちがうのは、公立高校もオーストラリアでは授業料は*無償というところです。
*オーストラリア市民権、永住権保持者のみ
海外からの留学生徒がオーストラリアの公立学校に通う場合、インターナショナル枠での入学になるので、授業料が発生します。
>>>過去記事でオーストラリアの公立学校にインターナショナル枠で入学したときの参考費用をまとめてあります。
授業料は無償ですが、1年に1度、voluntary school levy/contributions (自主学校納付金/貢献)などとよばれる費用があります。voluntary、、、と言っても、*必ずはらうべき費用で、学校の備品などに充てられるようです。費用は学校により異なりますが、今年(2023年)Y8の娘の学校では155ドルでした。
*やはり文字通り”自主的に貢献する納付金”であることから、必ず支払うという義務はないようです。
しかし。。。
未納のままでは通常、学校からなんども催促のお知らせが届きます。
オーストラリアの口コミサイトでは、この納付金を払わなかったために、子どもの送迎に出向いた親が、他の保護者の前で納付していないことを学校サイドに確認されたり、お子さんが校長室に呼ばれて、納付していない状況の説明を受けたり、成績表をもらえない騒動など。。。ちょっと行き過ぎだと思うようなこともかかれていました。
その他費用:
制服、教材(パソコン、ワークブック、ノート、筆記用具など)、クラス/個人写真、学期終わりなどのイベント費用 など
まとめ
今回は、【オーストラリアの公立中学校/高校の入学条件】~才能をのばす学校選びのヒント~についてまとめてみました。
日本と大きくちがうのは、
- 高校にも校区が決められていること
- 公立高校は授業料が*無料
*オーストラリア市民権、永住権保持者のみ
今回の記事をかいていて、改めてかんじたのは、オーストラリアの州によってのきまりのちがいです。
義務教育が終わる年にも開きがありますし、学年の区切り、よび名もちがったり。。。
お子さんをつれて、州をまたぐ引っ越しをすると、戸惑うかもしれませんね。
公立中学/高校はお住いの校区内にある学校に通われるのが通例ですが、学校によっては、校区外の生徒を受け入れる学校もあります。また、公立小学校とはちがい、受験で選抜生徒を入学させる学校もあります。
学校によっては障害をもつ生徒に手厚いサポートを提供する学校、特別教科プログラムのある学校、学校のサイズ、雰囲気、施設の有無、成績優秀 など、それぞれに特色をもった学校が存在します。
受験希望の場合、申し込み期日が決められているので、お子さんにあう学校のリサーチを早めにスタートするのがおすすめです。
オーストラリアで学校教育を受けて育ったかたは別として、オーストラリアに移住されたり、留学を検討しているかたには、学校選びはよくわからないことが多いとおもいます。オーストラリア在住の学校関係者、またはお子さんを中学/高校に通わせている家族との情報交換やネットなどの情報を活用しましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考資料:
raigingchildren.net.au: Secondary schools: things to consider when choosing a school
Australian Bureau of Statistics: Schools methodology
ABC news: Voluntary school contributions considered ‘exploitative’ by parents pushing for their waiver
whirlpool: Public School voluntary contribution