【かけ算の習い方:オーストラリア VS 日本】日本式が有利なのはなぜ?

こんにちは Aki です。

今回はかけ算の習い方をオーストラリア VS 日本で比べてみたいと思います。

Aki

実は娘が小学生のときから、オーストラリアの生徒がどうやってかけ算を学校で習得しているのか、謎でした。

日本なら、小学校2年生でかけ算の暗記がはじまりますし、家で暗記練習、、というのを自分もしたのをおぼえていますが、

娘曰く、

一応、家で練習するように、、、とフラッシュカードを先生から渡されたけれど、学校でその後のチェックは無く、やっていない生徒が多かったと思う。

クラスメイトの中に小学6年生になってもかけ算がわからない子がいるとかいないとか?!

結論から言うと、日本の九九暗記法の勝利です。

今回は、実際に私がみて感じたこと、外部の意見もまじえて、その結果をまとめてみます。

*オーストラリア在住でお子さんがこれからかけ算の学習に入る保護者のかたには、とくに参考になると思います

この記事をかいた人
Aki
  • オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
  • オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
  • 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる

特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる

いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。

目次

オーストラリア学習カリキュラム

海辺にたたずむカンガルーの背景画像。

オーストラリアでは2010年から Australian Curriculum というのが正式にリリースされています。

2022年、ターム2から バージョン9 ( V9 ) が最新版としてリリースされています。

2022年12月現在、旧バージョン8.4( V8.4 )からの移行期間として、V8.4 が採用されている学校もあるようです。

Aki

このカリキュラムを例に、オーストラリアの子どもたちはどのようにかけ算を学んでいくのかまとめてみます。

小学2年生

2、3、5、10の増加、減少する数列の認識。
2の段の暗記。
Aki

旧バージョンでは数列の認識にとどめていましたが、
新バージョンでは2の段の暗記が加えられました。

小学3年生

2,3,5,10のかけ算暗記。
2,3,4,5,10のかけ算暗記。
Aki

新バージョンでは4の段の暗記も加えられました。

小学4年生

10×10までのかけ算の暗記。
掛け算の知識を使って、掛け算を効率的に行う。
Aki

旧バージョンでは10×10までの暗記となっていましたが、
新バージョンでは”暗記すること”が削除されました。

小学5年生

1~2桁の数で大きな数をかける計算。
掛け算の効率的な計算戦略を熟知して、1~2桁の数で大きな数をかける計算。
Aki

5年生ではかけ算における変更はさほどないようですが。。。

小学6年生

小数に整数をかける計算。
小数を 10 の累乗で乗算。
桁の値の知識と乗法に関する習熟度を適用して、計算機を使用せずに 10 の累乗の倍数で小数を乗算。推定と四捨五入を使用して、回答の妥当性をチェックする。
Aki

新バージョンでは回りくどく書かれていますが、根本的には旧バージョン
と同じく、小数を10の累乗で乗算。

新バージョンでは小数に整数をかける計算が削除されたようです。

小学2、3年生の新バージョンでは改善がみられるのですが、小学4年生以降でかけ算の暗記がなくなったのが気になります。かけ算の暗記習得なくして、応用問題の習得は難しいとおもいます。

公立小学校の現場でみたこと、感じたこと

リュックを背負った海外の小学生が、学校に向かって走っている画像。

私はオーストラリアの公立幼稚園/小学校の教師のアシスタントですが、

アシスタントの仕事で最近つづけて小学4,5年生の複合クラスに入ることがありました。

Aki

そこで再認識させられたのは、やはりかけ算の暗記が完了していない生徒が多いということでした。

色分けされた1~12の段までのかけ算チャート画像。

生徒の個々の机には、こんな表が貼られていました。

Aki

これでは暗記をしなければいけない!とは思わないでしょうね。

九九の暗記をしていない生徒は算数の時間に、上の表を使ってかけ算の問題を解いていました。

~うそのような本当の話し~

小学4,5年生の複合クラスで算数の時間、大きな数のかけ算でつまずいている生徒がいました。

生徒は言いました。”かけ算は12の段までしかないから、この計算はできない。

Aki

。。。

オーストラリア、数学専門家の見解

眼鏡をかけた数学教育博士が机で難問を解いている画像。

数学教育博士

オーストラリア、クウィーンズランド州を本拠地とする数学教育博士のピーター・プライスによる見解においても、

Aki

九九の暗記をしないという選択は間違っている!と強く批判しています。

博士は、かけ算の勉強から、大きな数の計算や小数、分数計算においても、九九の暗記ができていると、スムーズに習得できると加えています。

ピーター・プライス博士の見解動画は>>>こちらから

*見解動画公開時、V9カリキュラムは参考段階になっています。

家庭教師

オーストラリアで数学の家庭教師をされているかたのコメントでは、

Aki

*Y11-Y12の教え子生徒にかけ算の暗算ができない生徒がいると?!

*Y11-Y12:日本の高校1、2年生

この家庭教師は、かけ算九九の暗記を小学校で完了させるべきであり、それはより複雑な数学のプロセスを理解するために、非常に重要だと述べています。

さらに、小学生の生徒は熱心に九九表の暗記をする準備ができるが、中学生では九九表の学習に時間をかけたくないんだ。、、と加えています。

Aki

確かに、中学校では教科も増えますし、日々の宿題の量も小学校よりも格段に多くなります。

そんな状況下で、

  • 九九の暗記にかける時間をつくるのは難しい
  • 小学生の学習にさかのぼっての勉強はモチベーションの維持も容易ではない

まとめ

今回はかけ算の習い方をオーストラリア VS 日本で比べてみました。

2022年ターム2からリリースされた最新版の Australian Curriculum によると、

小学校3年生の算数で2,3,4,5,10の段の暗記があり、

それ以降は暗記することが提示されていません。

Aki

6,7,8,9の段の暗記はどうなるのでしょう?

これから、あなたのお子さんが、オーストラリアの学校でかけ算に入る、、というご家庭では、

学校任せではなく、お子さんの九九暗記をご家庭でサポートしてあげることが大切です。

Aki

日本語補習校に通われているお子さんであれば、日本の教科書に沿った学習になるので安心ですね。

私の娘は幼稚部以降には日本語補習校へは通っていなかったので、家で九九の暗記練習をしました。

九九を楽しく学習することについてまとめた記事もあります。▼

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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