こんにちは Aki です。
バイリンガル育児、教育に興味のある方の中にはこのOPOL (オーピーオーエル) メソッドを耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
その各人とは、親、祖父母、他の家族、友人、または教師であるかどうかにかかわらず、対象になるお子さんに対して同じアプローチになります。
例えば、母親が日本人で父親がアメリカ人の家庭であれば、母親が日本語で子どもに接し、父親が英語で子どもに接するというアプローチになります。
実は私が娘のバイリンガル育児を始めたときにはOPOLメソッドは知りませんでした。でも、我が家もこのメソッドが形成されていました。
OPOLメソッドでは子どもがバイリンガルに育つ成功例が高い反面、成功にならないケースもあります。
どんなことにおいても、良いところ、悪いところは少なからずあります。今回はこのOPOLメソッドの良いところ、OPOLメソッドでは成功しなかった例には、どんな解決方法がひつようだったのかなどをまとめてみます。
結論から言うと、OPOLメソッドでバイリンガル育児に成功する例は、失敗する例よりはるかに大きいということです。失敗を事前に知っておけば、成功率はもっと上がることだと思います。
この記事はこんな方におすすめです。
・バイリンガル教育、育児に興味のある方
・OPOLメソッドのメリット・デメリットを知りたい方
・バイリンガル育児にいきづまっている方
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
OPOLメソッドと我が家の例
我が家では私が母国語の日本語で、主人は第2言語の中国語でそれぞれ娘に接しています。
通常、OPOLでは各人がそれぞれの母国語で接するとされていますが、その各人が複数言語を話す場合、最も話しやすいと感じる言語、より感情的に愛着のある言語を選択するとされています。
さらにOPOLでは、
私たち家族のように、娘に中国語をはなせるようになって欲しかったので、主人の母国語ではない、第2言語である中国語を選択する場合もあるそうです。
OPOLメソッドのメリット・デメリット
アメリカ人の Adam Beck 著の ” Maximize your Child’s Bilingual Ability ” によると、OPOLメソッドで成功した割合は74.24%だったとの調査結果がありました。この著者は教育者であり2人のお子さんの父であり、お子さんは英語、日本語、スペイン語のトリリンガルだそうです。
この数字を見ただけでも、OPOLメソッドの成功率が高いことがわかりますね。
では、順にメリット、デメリットを見ていきましょう。
OPOLメソッドのメリット
子供に習得させたい言語をここではターゲット言語と表記します。
- 子どもが生まれたときから、子どもに習得させたいターゲット言語と現地語の両方に、ほぼ同等の言語環境にふれさせられる。 (※家族や居住されている環境にもよります。)
- 比較的簡単なルールであること。(例:ある人はターゲット言語を話し、別の人は現地語を話すなど)
- ほとんどの場合、親は子どもと話す言語のネイティブスピーカーであることから、より自然なアプローチになる。
OPOLメソッドのデメリット
- 子どもがターゲットとなる言語に十分に触れられない場合、受け身のバイリンガルになる可能性がある。 ( 言語が理解できても、話すことができない)
例1 お父さんがターゲット言語を話すが、長時間働いているなどで、子どもが十分にその言語にふれる時間が無い。
例2 イギリスに住むドイツ人母と、英語モノリンガルの父をもつ子どもたち。母はドイツ語で子どもたちに接するも、英語環境下にあり、外部のドイツ語サポートが乏しく苦戦する。
例3 子供たちが学校に通い始め、現地語を使うようになると、ターゲット言語にふれる時間が減少する。
ターゲット言語を話す親は、子どもがターゲット言語と現地語にふれられる時間にバランスをとるために、さらに多くの努力をはらわなくてはいけません。
- 1つの家庭内で2つ以上の異なる言語でコミュニケーションをとるとき、特に親の1人がターゲット言語を理解しない場合、家族の会話に影響を与える可能性がある。
例1 親の1人がターゲット言語を理解できず、その親が取り残されたと感じる。
例2 親の1人がターゲット言語で子どもと会話をしているときに、もう片方の親にそれを訳すやり取りが面倒になる。
我が家では私が母国語の日本語で、主人は第2言語の中国語でそれぞれ娘に接していて、私と夫の会話は英語ですが、私は日常会話ができるくらいの中国語がはなせるように勉強しましたし、夫も学生時代に日本語を勉強していたこともあり、聞いてだいたい理解できるレベルなので、家族3人で3か国語の会話が成立しています。もちろん、100%理解できないこともあります。そういう時にはお互い訳しあったりしています。
OPOLメソッド成功のヒント
子どもがターゲット言語にふれる時間が足りない!
- 外部の教室、オンラインレッスン、ビデオチャットなどの利用
- ターゲット言語コミュニティーへの参加
- ターゲット言語を話す友だちと遊ばせる
- ターゲット言語を話す友だちの家にスリープオーバー(お泊り)させる。
- ターゲット言語を話すほかの家族との協力
- ターゲット言語を話すお手伝いさんに来てもらう
- ターゲット言語が話されている国への旅行、または帰省 など
可能なかぎり、お子さんがターゲット言語にふれられる時間を作りましょう。
どれだけOPOLメソッドのルール(各人が1つの言語を子どもにはなすこと)を守れるかが成功のカギになります。
特にお子さんがまだ小さくて、ターゲット言語が定着していない時期には、このルールをいかに定着させられるかが重要です。
現地の友だちと公園に出掛けるとき、外食するとき、他の言語で友人と会話していても、子どもと接するときにはターゲット言語で接すること。
我が家では娘が私と日本語、お父さんとは中国語というのが今では当たり前になってしまったので、私が夫と娘に英語で問いかけたとしても、娘の私への返答は日本語で返ってきます。
ですが、娘が10歳になるまではOPOLメソッドのルールをとくに気をつけていました。その理由は過去の記事にまとめてあります。
家族のコミュニケーションがうまく取れなくなってしまった!
私のまわりの国際結婚された方のお話でもたまに耳にすることがあります。
お子さんが生まれる前にはそれなりに心の準備はあったはずでも、実際にわが子と片方の親が話している言葉がまったく理解できないとなると、悲しくなるまではいかなくても、なんだか取り残された気持ちになるのはわからなくもありません。
わからない言語を勉強して、うまくOPOLメソッドが続けられるのが理想ですが、なかなかそういかない場合もあると思います。
解決方法としては、お子さんとターゲット言語を使う場所や時間を決めてみること。
例えば、毎週この曜日のこの時間は、
- ターゲット言語を話す友だちと遊ばせる、、とか
- お子さんとターゲット言語を話す親が、一緒に出掛ける、、とかといった感じです。
我が家では。。。
- 夫が仕事で遅い日など、夕飯が一緒に食べられない日には、私と娘が日本のテレビ番組をみることにしている
- 普段の夕飯どきには中国語の番組だとか、英語番組をみたりしている
まとめ
今回は【国際結婚:バイリンガル育児】OPOLメソッドのメリット・デメリットをテーマに、よりOPOLメソッドの成功へ近づけるためのヒントをそれぞれの例もまじえてまとめてみました。
1番大切なことはお子さんがターゲット言語にふれられる十分な時間の確保です!
OPOLメソッドをおこなっている場合 ( 特に初期のころには ) 、お子さんにターゲット言語で接していても、現地語で返答されるなど、よくあることです。ですが、それに振り回されたりしないでください。
あなたがターゲット言語でおこさんに接するのをやめてしまうと、お子さんがふれられるターゲット言語がなくなってしまいます。
OPOLメソッドを続けていくなかで、時に思うようにいかずイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、お子さんはあなたの努力に将来感謝することでしょうし、なによりお子さんと自分の母国語で会話ができる素晴らしさを、あなたはしみじみと感じるときが必ずおとずれます。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
参考:OPOL : A Bilingual Parenting Method By : Lorena Ruprecht