こんにちは、Aki です。
日本の言語学博士の服部孝彦教授はこういっています。
”海外で習得したお子さんの外国語は、帰国したその時から忘れられていく。”
私とオーストラリアでうまれた4歳になる前の娘は、夫の海外転勤で2013年から2016年の約2年半を中国で生活しました。
言語のちがう環境下での生活で、娘にどの言語での教育を受けさせるべきかということにはじまり、本帰国が決まった後はどのように娘の習得した言語をキープさせるか、、、ということが、私たち夫婦の課題になりました。
オーストラリアへの本帰国時には日本でいうところの小学1年生の第2学期ころ、まだ6歳半になろうとしていたころです。日常で3言語にふれていないと、簡単にわすれてしまうのはわかっていたので、とても慎重になりました。
なぜ、娘が3言語をわすれてしまうかもしれないとわかっていたのかは
過去記事にまとめてあります。
>>>こちらから
本帰国の場所が日本なのか、海外なのかで、その対処方法も変わってくるとおもいますが、今回は私たちが実際におこなった方法のすべてと、日本でおこなわれている帰国子女サポート情報などあわせてシェアしてみたいとおもいます。
本帰国の場所が、海外(英語圏)か日本(英語圏外)かで2つにわけています。目次から読みたいほうに移動できます。
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
本帰国の場所が海外(英語圏)・私たちの実体験
さきにふれたとおり、私たち家族は娘が4歳になる少し前に、オーストラリアから中国に転勤になり、オーストラリアに帰国したときには、娘は小学校1年生の2学期ころでした。
娘に中国語習得を考えていましたが、いずれオーストラリアに帰国することになるのはもともと決まっていたので、中国では現地の中国人生徒が多く在籍する、インターナショナル校の中国部にかよわせました。
選択は正しかったとおもいます。娘は中国語を習得し、英語のキープもできたからです。
オーストラリアに帰国する時点で、娘は主人とは中国語、私とは日本語、英語をはなす場面では英語、、、というふうに、3言語をはなしていました。
さて、オーストラリアに帰国。英語圏にもどり、娘の3言語をキープしなければならない!というのが私たち夫婦の課題になりました。
実際に私たちがおこなった行動をつぎにまとめてみます。
1,外国語カリキュラムに注目
日本では外国語学習としての言語は、英語が主流になってしまいます。
ですが、英語圏のオーストラリアでは、外国語カリキュラムの言語がいろいろとあります。
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オーストラリアの学校では、一般的には日本のように校区があるのですが、学校によっては校区をもたない学校もあります。
帰国後に住んでいた校区の学校では、外国語カリキュラムが日本語だったのですが、カリキュラムがはじまるのが小学3年生からでした。
日本語は私が娘に教えることができるとしても、中国語は教えることができませんし、夫と娘との時間は、私と娘との時間よりも短いことから、中国語のできる学校を選びたいときめました。
校区外の学校に校区をもたない学校があり、幼稚園から中国語カリキュラムがある公立学校があったので、その学校に通わせることになりました。
2,補習校
中国に転勤する前にも半年くらい通っていた、週末にひらかれる中国語補習校にあらためて体験入学しました。
ですが、娘の学年のクラスでは、娘にとっては易しすぎたのと、英語の多用で授業がおこなわれていたことも気になりました。
オーストラリアに住む、中国人の友人が中国語の礼拝がある教会で、子どもたち向けの中国語クラスがあると教えてくれました。夫が娘をつれて参加すると、クラスは中国語でおこなわれていたとのこと。
この中国語クラスはのちに、アートクラスに変わったのですが、それも中国語でおこなわれたので続けてかよわせました。
3, キープさせたい言語を話す友だちをみつけた
近所の公園で、中国語を話す友だちをみつけて、放課後にいっしょに遊ばせることをしました。
学校休み中のイベントで、中国語を話す家族と友だちになることも。
のちに子ども同士がクラスメートになりました。
4,キープさせたい言語アニメをみせた
中国でよくみていた中国語アニメをみせました。
娘の日本語をキープする目的でも利用しているTVボックスを中国語をキープさせるためにも利用しました。
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5,オンライン語学学習
私が中国にいたときから利用していたオンライン中国語を娘も利用しました。
ネイティブの先生との1対1の会話ができるので、会話力のキープにはとくにおすすめです。
>>>オンライン語学学習のメリット・デメリットをまとめた記事はこちらから
6,バイリンガル・プログラム校
帰国後に通った小学校から中国語のバイリンガル・プログラム校(公立)へ転校することになりました。
じつは、帰国後にかよわせた学校内で、いろいろと問題が立て続けにおこり、転校するのがベストだとかんがえました。
偶然にも夫が中国でいっしょに働いていた同僚から、このバイリンガル・プログラム校のことを聞いていたのと、イベントで知り合った家族の子どもたちが通っていたことから、どうせ転校するなら、、、と思い切って引っ越しました。
このバイリンガル・プログラム校は本当に素晴らしく、転校してから上ではなした中国語クラスなども行く必要がなくなりました。
毎日の学校授業だけで、十分な中国語を学べました!
本帰国の場所が日本(英語圏外)・帰国子女サポート情報
本帰国の場所が日本または英語圏外となった場合、どのような方法で外国語をキープしたらよいのでしょうか?
日本も国際化が進み、外国人を街でよくみかけるようになった地域もあるかもしれませんが、まだまだ数多くの外国語に日常的にふれられる、、、ということは少ないかもしれません。
私が娘に日本で英語、中国語にふれさせるために利用したことなども含めて下に紹介します。
1,フリーペーパーや民報などのイベントをチェック
日本でも英語が小学3年生から必修化になり、昔と比べると英語はずっと身近なものになってきました。
英語はもとより、その他の言語をはなす人たちとの交流会などが開かれることがあります。
私は娘といっしょに、通訳ボランティアの多言語イベントや、その街にすむ外国人との交流会などに参加しました。
2,キープさせたい言語アニメをみせた
英語圏で外国語をキープするときとおなじですが、インターネットに接続させると手軽に多言語放送を視聴できるTVボックスはおすすめです。
>>>こちらから
3,オンライン語学学習
ラジオやテレビ、YouTube の外国語講座もおすすめですが、インプットが多くなります。
アウトプットが多くできるオンライン語学学習は、やはりおすすめです。
オンライン学習であれば、インターネットさえあれば、海外からでも受けられます。
>>>子ども向けオンライン英会話の比較記事はこちらから
4,海外子女教育振興財団(JOES:ジョーズ)
*この機関の”外国語保持教室”利用は日本に本帰国が前提となります。
ジョーズってなに?
1971年に現在の文部科学省の許可をうけ、設立された財団法人。
2011年に内閣府公益認定等委員会に認定書交付をうけ公益財団法人になる。
海外勤務の前後をとおして、日本人家族のお子さんの学校サポートや、外国語保持など教育トータルコーディネーター的な機関です。
維持会員とよばれる特定企業で働かれているかたのお子さんは、有料サービスを無料または割引価格で受けることができるので、1度みてみる価値はありそうです。
”外国語保持教室”は英語とフランス語のみのようです。(青字クリックでリンク先HPに移動します。)
5,市町村役場に問い合わせ
HPでも調べることができますが、たとえば”国際交流課”などあれば、
- 交流行事の予定
- その他の事業団体 など
情報を問い合わせてみることもできます。
私もじっさいに、中国語を話す家族の集まりや、その家庭のお子さんがあつまるプレイグループがあるかなど問い合わせしました。
私たちが海外で習得した子どもの言語をキープしたいとおもうのと同じように、日本にすむ外国人家族は、その子どもたちに、親の母国語を日本や諸外国でどうやってキープすればよいのか、、、と考えている方もたくさんいます。
まとめ
今回は【海外駐在/移住から本帰国:海外で習得した子どもの言語キープどうしてる?】というテーマで、本帰国の場所が、海外(英語圏)か日本(英語圏外)かで2つにわけてまとめてみました。
海外(英語圏)への本帰国
- 外国語カリキュラムに注目
- 補習校
- キープさせたい言語を話す友だちをみつけた
- キープさせたい言語アニメをみせた
- オンライン語学学習
- バイリンガル・プログラム校
日本(英語圏外)への本帰国
- フリーペーパーや民報などのイベントをチェック
- キープさせたい言語アニメをみせた
- オンライン語学学習
- 海外子女教育振興財団(JOES:ジョーズ) *日本に本帰国が前提
- 市町村役場に問い合わせ
記事内で紹介した、海外子女教育振興財団の紹介動画で、言語学博士もいわれていましたが、
”海外で習得したお子さんの外国語は、帰国したその時から忘れられていく。”
このことから、私たち保護者は、海外滞在時に子どもが習得した外国語キープを願うばあい、何らかの方法を考えなければいけません。
とくにお子さんの年齢が、帰国時に10歳に満たないばあいは、慎重になるひつようがあります。
私たち家族の体験がだれかの役にたつことがあればうれしいです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。