こんにちは、Aki です。
オーストラリアには公立中学/高校に入学するための*受験が存在します。
*公立小学校に入るための受験はありません
>>>オーストラリアの公立中学校/高校の入学条件をまとめた記事はこちらから
まちがいのないように最初に説明しますが、オーストラリアの公立中学/高校は一般的に:
- 中高一貫校となっている
- 校区が決められている
基本的には校区内の中学/高校に通われる場合、受験をすることなく入学できます。
じゃ、なぜ受験が必要なの?
今回はオーストラリアの公立中学/高校受験、セレクティブ・スクールのことをメリット・デメリットもあわせて、まとめてみたいとおもいます。
娘の実体験も参考までにあわせて紹介します。
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
セレクティブ・スクール
セレクティブ・スクールとは?
セレクティブ・スクールは州単位で一斉開催される受験の結果によって選抜生徒を入学させる学校。
セレクティブ・スクールを導入する学校:
ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、西オーストラリア州の限定校のみ
全ての学校で受け入れ枠があるわけではないのね。。。
セレクティブ・スクール学校リスト:(青字クリックでそれぞれのホームページへ移動します)
ビクトリア州 : VIC.GOV.AU
ニューサウスウェールズ州 : A NSW Government website-Education
クイーンズランド州 : Brisbane State High School, Queensland Academies
西オーストラリア州 : Department of Education WA
セレクティブ・スクールのない州でも、セレクティブ・スクール対象校以外でも、才能ある生徒向けの特別プログラムを提供している学校がたくさんあります。
特別プログラムは各学校のホームページで確認できます。
セレクティブ・スクール試験はY7に入学するための試験にはじまり、Y8~Y12に入学するための試験がありますが、Y8~Y12募集枠はY7よりも少なくなっていく傾向にあります。州により異なるので、政府のホームページから確認が必要です。
セレクティブ・スクールの種類
セレクティブ・スクールには:
- 全校生徒が選抜生徒
- 一部の枠を選抜生徒
にする学校の2種類があります。
セレクティブ・スクールの学科
学力のほか、音楽、アート、スポーツ、語学などのセレクティブ・スクールも存在する
セレクティブ・スクール試験科目
- 読解力
- アイディアを表現する作品を書く
- 数学の文章問題、応用、問題解決
- 画像、図形問題 など、州によって多少のちがいあり
セレクティブ・スクール試験申し込み方法
それぞれの州政府の教育省ホームページから申し込みができます。
申し込みには期日があるので、しっかりと確認がひつようです。
*Y7の入学対象試験の申し込みは、お子さんがY5の10月ころに開始されます。試験を受けるのはお子さんがY6になってから。
このことから、セレクティブ・スクールの試験準備はできるだけ早くからおこないましょう。
*Y7(イヤーセブン)は日本の中学1年生にあたります。Y5は日本の小学5年生。
セレクティブ・スクール試験費用
ビクトリア州では免除対象もあるようですが、申請料金は120ドル(2023年入学予定試験)
Brisbane State High Schoolでは申請料金は420ドル(2023年現在)
ニューサウスウェールズ州では申請料金は無料(2024年入学予定試験)
西オーストラリアでは申請料金は無料(2023年現在)
州によって大きな開きがありますね。。。
セレクティブ・スクール試験対策/受験するメリット・デメリット
セレクティブ・スクール試験対策
オンラインの記事の中で、シドニー工科大学のひとりの博士は、セレクティブスクールは子どもを(試験対策のために)家庭教師や塾などに通わせることができない社会経済的背景が低い学生にとっては有益ではないと見解しています。
セレクティブ・スクールのある州では、その試験対策用の家庭教師や塾、その他オンラインでの教材の購入などがありますが、そのどれもが高額です。
私の娘のお友だちの何人かが、州で1番のセレクティブ・スクールに通っていますが、やはり高額な塾や家庭教師をつけていました。中には毎週末、6~8時間の試験勉強をしていたというお友だちもいました。
実は、私と主人もセレクティブ・スクールの説明会に参加したことがあるのですが、そこでは。。。
試験対策用に勉強をするのは、意味のないことだといわれていました。理由は、試験にどのジャンルの問題がでるのか、当日にならないとわからないというものでした。
でも、ひとつだけ大切なことは、タイムマネージメントをいかに試験で発揮できるかということでした。
この試験は1問につき約30~50秒でこたえていかないと、全問回答することができないというものだからです。
絶対にトップのセレクティブ・スクールにお子さんを通わせたくて、経済的にも余裕があるご家庭には、試験対策用の塾などを試される価値はあるとおもいますが。。。
そうでない場合、まずは政府のホームページにリンクのあるサンプルテストをタイマーをつかって試すことをおすすめします。
そうすることで:
- テストの傾向がつかめる
- タイムマネージメントの配分スキルが身につく
サンプルテスト
青字クリックで、それぞれ州のホームページに移動します。
ニューサウスウェールズ州 : ページの中段あたりからサンプルテストとその回答のPDFが多数あります。
ビクトリア州 : サンプルテストの一部がダウンロードできます。回答なし。
西オーストラリア : ページ中段あたりから Sample tests をクリックでテストと回答が別々にあります。
受験するメリット
受験するメリット
- 校区外の中学/高校に入学できる
- セレクティブ・スクール(選抜校)への入学
- 音楽、アート、スポーツ、語学などの才能をよりのばせる学校への入学
- 現時点での実力を数字でしる など
一般的に評判の高い中学/高校の校区内にある土地や家は高騰しています。
受験に合格したら、校区外の家に住みながら、通学することができます。
ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、西オーストラリア州には、公立中学/高校の完全セレクティブ・スクールがあります。(受験で合格した生徒のみを入学させる学校)
学力が高いお子さんは、できるだけお子さんの学力を十分発揮できる環境での勉強がベストのようです。チャレンジできる環境のほうが、お子さんが退屈しませんし、さらなる挑戦で能力をのばすことができるでしょう。
学力いがいにも、音楽、アート、スポーツ、語学などのセレクティブ・スクールも存在する。
オーストラリアの全国一斉で行われるNAPLAN:ナプランは奇数学年に受験するので、2年に1度しか全国的にどの位置に自分の成績があるのか、知ることができません。セレクティブ・スクールの試験では、州単位の成績になりますが、お子さんの個別のテスト結果から、得意、不得意の分野がわかることで、不得意を集中してのばすことができるかもしれません。NAPLANとおなじく、お子さんのそれぞれのテスト結果が全体のどの位置にあるのかもしることができます。
受験するデメリット
受験するデメリット
- お子さんに不必要なストレスを与える など
この試験を受けるために、塾や家庭教師などを利用して、毎週末に何時間も勉強されているお子さんの話をきいてきました。お子さんが望んで受験される場合は、目標に向かって頑張ることができるのでしょうが、保護者の意向で試験を受けさせる場合、準備期間→受験→受験の結果時において、お子さんがストレスを感じてしまうかもしれません。
マレーシア人の友人は娘さんに内緒で、試験に応募し、大げんかになったと聞きました。
娘の実体験
娘はY7入学対象試験と今年(2023年)、Y9入学対象試験の2回のセレクティブ・スクール試験を経験しました。
Y7入学対象試験
この時の試験前後、私の日本に住む母が病でたおれ、娘と半年間離ればなれの生活を送っていました。コロナ禍の真っただ中で、国と国を越える移動がとても難しい時でした。
夫はできるだけの努力をしてくれ、仕事に家事に育児に、奮闘してくれましたが、娘の試験勉強までは手が回りませんでした。週に1度、放課後に家庭教師を雇い、試験勉強をみてもらいました。
試験の結果は、一次審査を通過できる基準ラインの少し下あたり。
私が娘と離れて暮らしているあいだ、生活リズムも崩れていたようですし、いたしかたない結果でした。
Y9入学対象試験
ある日娘が、
お母さん、もう1度試験を受けてみたい。今、自分の力がどのくらいあるのか試してみたいの!
こんなことを娘から言われるとは、おどろきました!
今回は、家庭教師も塾も利用なし。
前回の試験前には、政府のホームページにあるサンプルテストをタイマー使用で利用しましたが、今回はそれもなし。
試験の結果、一次審査を通過できる基準ラインの上!
ちなみに、受験申込時に希望する学校の名前をいくつか記入することができますが、試験の結果で基準以上だった生徒は、自分の獲得した点数で応募できる学校に希望校を変更することができます。
娘の場合、対象校は自宅からも離れていましたし、初めから今の力を試すことが目的だったので、応募はしませんでした。
娘は、前回の試験で基準ラインにとどかず、残念な思いはあったとおもうので、2回目の試験で基準ラインの上をとることができたことで、達成感がもてたようですし、自信にもつながったとおもいます。
まとめ
今回はオーストラリアの公立中学/高校受験、セレクティブ・スクールのことをメリット・デメリットもあわせて、まとめてみました。
オーストラリアでは、公立中学/高校受験にセレクティブ・スクール受験があります。
セレクティブ・スクール:州単位で一斉開催される受験の結果によって選抜生徒を入学させる学校
セレクティブ・スクールを導入する学校:
ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、西オーストラリア州の限定校のみ
セレクティブ・スクールのない州でも、セレクティブ・スクール対象校以外でも、才能ある生徒向けの特別プログラムを提供している学校がたくさんあります。
セレクティブ・スクールには:
- 全校生徒が選抜生徒
- 一部の枠を選抜生徒
にする学校の2種類があります。
学力のほか、音楽、アート、スポーツ、語学などのセレクティブ・スクールも存在します。
セレクティブ・スクール試験科目:
- 読解力
- アイディアを表現する作品を書く
- 数学の文章問題、応用、問題解決
- 画像、図形問題 など、州によって多少のちがいあり
セレクティブ・スクール試験対策:
試験対策コースの塾や、家庭教師をつける家庭もありますが、そのどれもが一般的には高額です。
大切なのは、*サンプルテストをタイマー使用で多くこなして、タイムマネージメントをいかに試験で発揮できるかです。
*サンプルテストは政府のホームページから無料でダウンロードできます。
ニューサウスウェールズ州 : ページの中段あたりからサンプルテストとその回答のPDFが多数あります。
ビクトリア州 : サンプルテストの一部がダウンロードできます。回答なし。
西オーストラリア : ページ中段あたりから Sample tests をクリックでテストと回答が別々にあります。
受験するメリット
- 校区外の中学/高校に入学できる
- セレクティブ・スクール(選抜校)への入学
- 音楽、アート、スポーツ、語学などの才能をよりのばせる学校への入学
- 現時点での実力を数字でしる など
受験するデメリット
- お子さんに不必要なストレスを与える など
セレクティブ・スクール受験に申し込む前に、お子さんと受験の目的や、受験のために必要なことなどをよく話し合って、お互いに理解ができたうえで、お子さんに受験させることが大切です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考資料:
SBS: Australia’s selective entry school admissions explained
Global Education Academy: 8 tips on preparing your child for the selective high school placement test
The Good Schools Guide: Selective and comprehensive schools