こんにちは Aki です。
皆さんは、体験入学をご存じですか?
体験入学とは、日本へ一時帰国の際、お子さんを日本の学校へ短期間通わせることをさします。
今回はその”体験入学”についての目的や心がまえ、準備などを実体験や周りの友人の声などおりまぜ、まとめてみます。
今年(2022年)日本では中学1年生になる娘は、これまでに小学2年、3年、4年生の時に体験入学を公立小学校で体験させていただきました。(その後、コロナ禍になり現在に至ります)
この記事はこんな方におすすめです。
・バイリンガル教育、育児に興味のある方
・日本での体験入学のことを知りたい方
・これから体験入学を検討、予定されている方
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
体験入学とは
体験入学には法的制度がない
1番最初に覚えておく必要として、日本へ一時帰国の際の体験入学には、法的制度がありません。
体験入学はすべてのお子さんに受けられる権利があるものではなく、あくまで滞在予定管轄の教育委員会または学校側の厚意で行われています。
教育委員会または学校側は
- お子さんの日本語力
- 体験入学希望の期間にある行事
- 前例があるか否か など
上記の条件を考慮して、受け入れるかどうかを決定するようです。
例えば、入学、卒業式シーズンであったり、中学校であれば、学期末試験や個人懇談会の時期などだと、受け入れを断られるケースも多いようです。
体験入学の目的
目的の主としては2つあります。
- 海外滞在が長くなったお子さんを本帰国前に、滞在地の学校の長期休みを利用して日本の学校生活にならすため
- 親の国際結婚などで海外で生まれたお子さんの日本人としての自覚、日本語を学ぶ必要性の再確認のため など
私立学校、高等学校での体験入学は原則難しい
私立学校や高等学校は入学試験を受けて、受かった生徒が通う学校であることから、体験入学の生徒を受け入れる学校をさがすのは、基本的に難しいです。
学業に力を入れている進学校であれば、体験入学生を受け入れることで、授業の遅延になりうることもあるので致し方ありません。
ただし、皆無というわけではなく、編入手続きなどを経て、一定の条件付きで短期間高校に通うこともできるそうです(対象校の数は多くはありません)。
体験入学は日本の義務教育期間である小学1年生から中学3年生までの公立校で行われることが一般的です。
いつから体験入学させるのがよいか?
結論から言うと、早い方がいいでしょう。
その理由としては、
- 小さい頃の方が環境になじむのが早い
- 小さい頃の方が勉強量が少ない
- 高学年になるにつれて勉強が難しくなる
友人の娘さんは、日本語の壁を感じて、小学校高学年から体験入学に行かなくなったそうです。
例外として、海外から日本へ本帰国前の体験入学でしたら、学年問わずなのは言うまでもありません。もう一つ、現地の日本語補習校で、学年相応の読み書きを勉強しているお子さんは、日本語の言葉の壁を感じることは少ないかもしれません。
体験入学の期間
一般的には現地の学校休みを利用して、日本に一時帰省し、数週間から1か月ほど体験入学させるケースが多いようです。
体験入学期間が1か月をこえる場合、学校によっては転入とみなし、住民票をいれるように要請されることもあります。また、体験入学期間をあらかじめ4週間と限定する学校もあるそうです。
学校のさがし方
一般的なさがし方
最初の方でも紹介した通り、体験入学は日本の滞在予定管轄の教育委員会または学校への問い合わせになります。
- 教育委員会に問い合わせて、体験入学を受け入れている学校を紹介してもらう
- 学校に直接連絡して、体験入学を受け入れているか/受け入れてもらえるか問い合わせる
上記が一般的ですが、中にはウェブサイトで体験入学情報を掲載している学校や、体験入学申し込みの所定用紙がある学校、海外の日本人学校や日本語補習校で受け入れ先の校長あてに紹介状などを発行する学校もあるようです。
予定滞在先校区内で学校が見つからなかった場合
日本の公立校では一般的に校区が決まっていますが、体験入学においては、校区に関係なく受け入れてくれる場合があるようです。
下記のような学校がその対象です。
- 過疎地の学校
- グローバル教育に力を入れている学校
- 特別支援を必要とする子どもの受け入れに慣れている学校 など
私たちのケース
娘が小学校に上がる前に、私の実家の校区内にある小学校に問い合わせ、一時帰国していた娘を連れて学校訪問させてもらいました。
海外で生まれた娘に、日本の文化を肌で感じてほしいことや、生きた日本語にふれさせたいことなどを、その時お話を聞いて下さった教頭先生に伝えました。
その学校では体験入学の生徒を受け入れた前例がないとのことでしたが、教頭先生が前職の小学校では同じくオーストラリアからの生徒を体験入学で受け入れていたとのことで、とても親身になっていただきました。
校長先生にも掛け合っていただき、受け入れが決まったとの連絡をいただきました。
娘が初めて体験入学をさせていただいたのは、小学2年生の時でした。が、、
その時には校長先生が変わっていました。
教頭先生が再度、新任の校長先生に掛け合って下さり、”校長の了承を得ましたので、受け入れできます。”とのことでした。
体験入学を受け入れるか否かは、校長先生の決定によるものなので、前例があり以前にも体験入学をさせていただいていた学校であっても、校長先生が変わっていた場合、受け入れを断られる場合もあるそうです。
娘が小学3年生の時には、親身になってくれていた教頭先生が変わっていたのですが、新しい教頭先生は、”前例があるとのことですので、受け入れできます。”とのことでした。
個人的に感じたことは、前例があるか否かということはとても大きいと思いました。
東京に実家のある友人は、学校側から前例がないとのことで、体験入学を断られていました。
体験入学の心がまえと準備
さて、体験入学が実際に決まったら前もって学校から指定された用具品などの準備や学校での決まりごとをお子さんとしっかりと話して、楽しい学校生活が送れるようにしましょう。
用具品・その他費用
制服・カバン
娘が通わせていただいた小学校では制服、カバンの指定が無かったので、それほど準備は大変ではなかったです。
実家の母が、セカンドハンドのランドセルを準備してくれて、娘も喜んでいましたし、助かりました。
制服やカバン指定のある学校に通われた友人のお子さんは、お子さんの通われた学校から譲っていただいたり、お友だちからのお下がりをいただいたなど、短期間の通学になるので、新品を準備したという話しは聞いたことがありません。
通学される予定の学校に相談されたり、地域によっては学生服のセカンドハンドを扱っている自治体もあるので、役所に相談してみるのも良いかもしれません。
教科書
体験入学は短い期間ですし、その日に勉強した分をプリントとしていただきました。
他のネット上では、学校によっては教科書をそろえるように言われることもあるそうですが、今まで私の周りで体験入学のために教科書を新たに購入したという話は聞いたことがありません。
海外の日本語補習校に通われている生徒さんであれば、毎年補習校から教科書が支給されるようですし、補習校に通わせていない海外に永住されているお子さんであれば、現地の大使館/領事館で教科書の無償支給が受けられますので、期日までに申し込みをされることをお勧めします。
補足:海外で配布される日本の教科書は全国共通で1種類ですが、日本で使われている教科書は数種類あるので、必ずしも海外で配布された教科書と体験入学先の学校の教科書が同じということはありません。
上履き
これは日本特有ですよね。
床を汚さないように、靴底が白色というのが意外と海外では探すのが大変だった覚えがあります。
Amazon
お道具箱、ファイルケース
娘の学校で共通のファイルケースがあり、学校で購入しました。108円でしたが、そのファイルケースを2、3、4年生で使ったのでコスパが良すぎでしたね。
体育帽子
娘は冬場の体育授業で体育帽を必要としなかったので、購入していませんでしたが、100均でも購入できるようです。
給食時用品
給食係の時に使ったエプロンや三角巾、机に引いたランチマットなどは100均や実家にあったものを使用してました。
雑巾
お掃除用の雑巾も持参していました。
筆記用具、文房具
100均などでそろえました。
給食費
給食費は1食あたり280円くらいでした。(2020年1月時点)
登校最終日に職員室に出向き、支払いさせていただきました。
体験入学前に子どもと話したこと
海外の学校生活とは違ったところがありますし、学校から前もっていただいていた学校のきまりを読んで、娘に教えました。
登下校の仕方
海外(少なくとも、オーストラリア、中国)の小学生の登下校と日本の小学生の登下校には大きな違いがあると思います。
高学年にもなれば、オーストラリアの治安の良い地区に住む、家と学校が近い子どもでしたら、日本の小学生のように子どもだけで登下校をすることもあるのですが、基本的には小学校では親の送迎が一般的とされています。
娘が初めて体験入学をさせていただいたのは、小学校2年生のときだったので、親の私としても、娘をひとりで登下校させることに内心不安でした。
実は私の実家は小学校まで100mくらいのところで、2階の窓から娘の登下校が見えたのですが、それでもしばらく不安でした。
学校の初登校日までに、何度も娘と”実家と学校までの往復”を一緒に歩いて、車の通る道ではきちんと止まって確認することを徹底しました。
学校の開始時刻
オーストラリアで通っていた小学校の開始時刻よりも25分ほど早かったので、起床時間、朝食の時間を早めなければいけないことを確認させました。
給食、掃除当番
海外の学校では体験できないことだと思います。
オーストラリアの学校では、給食ではなく、毎日お弁当か、校内にある(主に生徒の父母が運営する)キャンティーンとよばれる場所でランチを注文したりします。
もちろん、掃除当番もオーストラリアの学校ではありません。学校に専属でやとわれているクリーナーがいます。
給食、掃除当番のこと以外に、日本ではお菓子を学校に持っていけないことや、ハンカチ、ティッシュを携帯する、外靴から上履きに変えるなど、オーストラリアの学校とは違うことを確認させました。
放課後のきまりごと
学校への登下校と同じくらい、私が心配したことです。
オーストラリアの小学生は登下校を親と一緒にするのが一般的なのと同様、放課後に子どもがひとりで遊びにいくこともありません。そのため、娘が放課後に”友だちと遊びに行くね。”となった当初はドキドキしました。
初めは娘が遊びに行く場所へ何度か様子を見にいったり、一緒に遊んでいた友だちのお母さんにメールで様子を聞いたりしていましたが、良い友だちに恵まれて、友だちが家まで迎えに来てくれたり、娘を家まで一緒に歩いて送ってくれたりしました。
娘のお友だちに助けられました。
”夕方、町に流れる音楽がなったら、家に帰ってくる時間。” というのをしっかり確認させました。
まとめ
今回は【日本へ一時帰国:体験入学①】目的、心がまえと準備について、私たちの実体験や周りの友人たちの声をおりまぜまとめてみました。
体験入学は必ずしも希望どおりにいくことはなく、日本の滞在予定管轄にある、教育委員会や学校の校長先生の采配で決まります。
体験入学の前例がある学校であれば、比較的簡単に受け入れが決まりますが、
前例のない学校では簡単とはいかないかもしれません。
どうしてお子さんに体験入学をさせたいのか、受け入れ側に熱意を伝えるのが大切!
うまく体験入学を受け入れてくれることが決まれば、お子さんと一緒に体験入学の準備を進めていきましょう。
外国生活で、生きた日本語にふれる機会が少ない子どもたちに、同世代のお友だちに囲まれた環境でいっしょに勉強したり、遊んだりすることができる体験入学は、お子さんにとって大きな財産になることは言うまでもありません。
次回は、体験入学のメリット・デメリットについていろいろな角度からまとめてみます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
>>>【日本へ一時帰国:中学校体験入学①】体験入学が決まるまで~帰国までの準備
>>>【解決!体験入学のおみやげ問題:海外生活が長い日本人がおちいる悩み?!】