こんにちは、Aki です。
今回は子育てされている海外在住者、またはこれからお子さんといっしょに海外へ移住、転勤される方にとって気になる、
日本人学校と補習授業校、そして私立在外教育施設について、
- それぞれのちがい、やくわり
- 世界にどれくらいあるのか
- 授業内容
- メリット・デメリット など
私の体験や、実際に今まで見聞きしてきたこともおりまぜて、わかりやすくまとめてみたいと思います。
ブログの最後には、在外教育施設にお子さんを通わせるかどうかを考えるときのヒントにもふれています。
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
在外教育施設を知る
何だか、漢字が多くてわかりづらいですが。。。
簡単にいうと在外教育施設とは、
日本の文部科学省大臣から指定・認定された、海外にある教育施設。
この施設は下の3つにわけられます。
- 日本人学校
- 補習授業校
- 私立在外教育施設
令和3(2021)年4月現在、指定・認定された教育施設は海外に102校。▶リスト(文部科学省HP)
認定校では、
- 教科書配布
- 現地採用教員の指導
- 校長・教頭の派遣 など
文部科学省の援助や外務省の資金援助を受けられる。
では、ひとつずつみていきましょう。
1.日本人学校
日本人学校は、国内の小学校、中学校又は高等学校における教育と同等の教育を行うことを目的とする、全日制の教育施設です。
文部科学省HP
海外で日本と同じ教育がうけられるということです。
それにより、日本人学校の、
- 中学部卒業者 ➡ 日本の高等学校の入学資格
- 高等部卒業者 ➡ 日本の大学の入学資格
をそれぞれ与えられることになります。
運営形態
日本人学校は、一般的に現地の日本人会などが主体となって設立され、
その運営は、
- 日本人会や進出企業の代表者
- 保護者代表からなる学校運営委員会 など
によって行われています。
費用
日本政府の認可校ではあっても、公立校ではないので、学費、入学審査、PTA参加義務などが課されます。
学校数、リスト
令和2(2020)年4月15日現在、世界50か国に95校!
▶日本人学校リスト(国立国会図書館HP):世界地図から探せます。*4校追加されていません。
▶日本人学校リスト最新版(文部科学省HP):1~95までが該当します。
特色
多くの日本人学校では、
- 現地の文化、歴史、地理の学習
- 現地校等との交流
- ネイティブ講師による英語、あるいは現地語の学習
- *「国際学級」を設け、外国人の子どもの受け入れ
などもあります。
*国際学級を設けることで、日本語能力のばらつきや学力レベルの低下につながるとして保護者や教員から反対の声があがることもあるようです。
受験方法
- 日本語の面接
- 筆記試験 など
受験資格:
- 入学者の国籍
- 学費の支払い能力
- 親権者の監督状況(保護者は児童生徒と同居する)
- 日本語能力 など
受験方法、受験資格の内容は、学校によりちがうので、個々のHPなどでチェックしてみてください。
注意点
日本人学校は原則、日本の義務教育課程を支援するため、小学校1年から中学3年生まで。
平成23年(2011年)に中国、上海日本人学校に高等部が設立されています。
高等学校はあとにまとめる私立在外教育施設を参考にしてください。
2.補習授業校
補習授業校は、現地の学校や国際学校(インターナショナルスクール)等に通学している日本人の子どもに対し、土曜日や放課後などを利用して国内の小学校又は中学校の一部の教科について日本語で授業を行う教育施設です。
文部科学省HP
補習授業校は習い事のひとつと考えられますね。
運営形態
日本人学校と同じく、現地の日本人会などが設置運営をおこなっています。
費用
日本政府の*認可校ではあっても、公立校ではないので、学費、入学審査、PTA参加義務などが課されます。
*日本政府の認可校ではない補習授業校も存在します。
学校数、リスト
令和2(2020)年4月15日現在、世界55か国に229校!
日本人学校が無い都市にも、補習授業校がある場合があります。▶補習校リスト(文部科学省HP)
特色
補習授業校では、
- 国語中心に算数(数学)、理科、社会などを加えた授業
- 日本の*教科書をつかった授業
- 大規模な補習校では幼稚園や高等部も併設
- 一部、授業時数、科目が日本人学校に準じている”準全日制補習授業校”もある
*通常、文科省負担で教科書無料配布
受験方法
- 日本語の面接
- 筆記試験 など
でも、これは補習授業校の規模にも関係しているそうです。
補習授業校は、”いつでも日本の学校に編入できるように日本の学校制度に基づいた教育を行う”ことを大前提にしているものの。。。
実際のところは、補習授業校の規模と地域差もあり、
- 多少日本語が苦手でも通える学校もあれば
- 日本語能力を持っていないと入学を許可しない学校もある
~ 私の体験 ~
以前、私たち家族が中国に住んでいたころ、娘が通っていた補習授業校の幼稚部では、日本語での面接があり、補習授業校では日本語以外禁止、、、と厳格な決まりがありました。大半の生徒は日本からの駐在員の子どもたちでした。
現在、私たち家族が住んでいるオーストラリアの補習授業校では、日本からの駐在員の子どもたちと、永住者の子どもたちのクラスが分けられているそうです。永住者向けのクラスに通われている子どもたちの多くは、日本語をうまく話せない子どもが多い印象です。
3. 私立在外教育施設
私立在外教育施設は、国内の学校法人等が母体となり海外に設置した、全日制教育施設です。
文部科学省HP
”日本の私立校の海外分校”といった感じです。
それにより、私立在外教育施設の、
- 中学部卒業者 ➡ 日本の高等学校の入学資格
- 高等部卒業者 ➡ 日本の大学の入学資格
をそれぞれ与えられることになります。
学校数、リスト
令和2(2020)年4月15日現在、世界に7校!
*リストにある聖学院アトランタ国際学校は2018年に閉校しています。
私立在外教育施設は、数が減少傾向にあります。その理由としては、
- バブル景気崩壊後の日本からの駐在員数が減少
- 寄付金の減額
- 少子化
などがあるようです。
特色
私立在外教育施設では、
- 国語(日本語)が学べる
- *他国に住む日本人、**日本からの留学生が多い
- エスカレーター式に日本の大学まで進める など
*私立在外教育施設数が少ないため、他国に住む日本人生徒が国をまたいで受験するため。
**休学しなくとも海外留学できる点が利点となり、日本からの生徒に人気がある。
受験方法
日本の私立高校受験と同じく、出願期間に申し込みをする。
試験会場は、学校のある現地、もしくは日本会場など。
試験内容は、筆記試験 国語、数学、英語(リスニング含む)面接(生徒のみ)など
転入、編入試験など詳しくは各学校HPなどで確認してみてください。
在外教育施設へ子どもを通わせるメリット・デメリット
在外教育施設へ子どもを通わせるメリット
- 日本の卒業資格が与えられること(補習授業校を除く)
- 帰国後に日本の学校生活にとけこめやすい
- 日本人コミュニティーとつながれる
- 母語(日本語)での時間で現地でのストレス緩和
- 海外永住者の子どもにおいての日本語の維持
- 小中、中高一貫教育がうけられる
- 日本人としてのアイデンティティーを築ける など
在外教育施設へ子どもを通わせるデメリット
日本人学校の場合
- 現地語のレベルが、現地の同年代より劣ることが多い
- 学校まで遠い、近くにない
- 学費が高い
- 原則、中学校までしかないため、その後の進学問題がある など
補習授業校の場合
- 現地校の宿題もあり、負担が大きい
- 放課後、または週末がけずれる
- 学費が高い
- 親の送迎がひつよう
- 親が運営に協力しなければならない
- 親が子どもの宿題サポート など
私立在外教育施設の場合
- 学校数が少なく、家族がはなれて暮らすケースも
- 学費が高い
- 入試の際、日本からの生徒も多いので競争率が高い など
このようなことから、在外教育施設へお子さんを通わせるかどうかは、
- お子さんの年齢
- お子さんの性格
- 海外滞在の予定年数 など
を考慮して決めるひつようがあります。
例えば。。。
まとめ
今回は、日本の文部科学省大臣から指定・認定された、海外にある教育施設である、
- 日本人学校
- 補習授業校
- 私立在外教育施設
についてまとめてみました。
✔ 日本人学校、私立在外教育施設は全日制の学校
✔ 補習授業校は放課後あるいは週末に開かれる習い事のひとつ
私たち日本人が、海外で子育てをしていく中で、お子さんの日本語力の維持について悩むことは多かれ少なかれあるのではないでしょうか?
特に短期間の海外転勤で、いずれ日本に帰国する予定のご家庭であれば、なおさらお子さんの将来の学校選択にも影響をあたえるので、より慎重な選択をせまられると思います。
学校選びのヒントとしては、
- お子さんの年齢
- お子さんの性格
- 海外滞在予定年数 など
どの学校(現地語ベースか日本語ベース)であれば、将来お子さんの、
- 進学
- 就職
- 生活 など
がしやすくなるのか、、考慮するのがいいかもしれません。
実際問題、入学金、学費など高額費用がはじめにかかるので、かんたんに学校を変えるというのも現実的ではないですが、
知り合いの日本人の方には、中華系のインターナショナル校から、アメリカンのインターナショナル校にお子さんを編入させて、お子さんがのびのびと生活されるようになった。。。という例もあります。
やはり学校によって、お子さんの生活態度が左右されることがあるのも事実です。
お子さんの学校選びは、海外であればより悩むところではありますが、これからのお子さんの将来にもつながることですから、なっとくのいくまで色々なツールで調べることが大切です。とくに実際にその学校に通われている/いた方の意見は貴重です。
あなたのお子さんにとって、よい学校選びができるといいですし、この記事が少しでも参考になればうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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