こんにちは、Aki です。
皆さんは ”バイリンガル教育はいつ始めるのがベスト?” だと思われますか?もちろん、年齢に関係なく、言語習得は可能です。私が中国語の勉強を始めたのも30代になってからです。それでも夫と娘の中国語会話をだいたい理解できますし、簡単な日常会話なら中国語でできるレベルです。
私の12歳の娘は英語、日本語、中国語を話すトリリンガルです。
でも、今日私が、声を大にしてお伝えしたい ”バイリンガル教育はいつ始めるのがベスト?” の結論は
早ければ早い方がいい!!
。。。ですが、そこには残念ながら落とし穴もあります。
私がこれまでバイリンガル教育で実際に体験してきたこと、見たこと聞いたことをみなさんと共有して、なぜバイリンガル教育を始めるのは早い方がいいのか?どんな落とし穴があるのか?を紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめです。
・バイリンガル教育に興味のある方
・子供をバイリンガルに育てたいと考えている方
・バイリンガル育児にいきづまっている方
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
10歳までの脳のメカニズムがすごい!!
※専門的な難しい脳のメカニズムの話ではありません。
娘が生まれた2009年(平成21年)には、今のようにバイリンガル教育に関する情報はあふれていませんでした。そんなある日、私が目にしたオンラインでの研究発表記事がとても興味深く、結果的に私のバイリンガル育児指標になりました。
その記事によると、人間の脳は10歳になるころには大人の脳に近づくというのです。
それとバイリンガル教育にどんな関係があるの?
10歳前の子供の脳は、耳に入ってきた音をそのまま声にだして表現することが出来るのだそうです。それに対して、大人の脳は耳にした音を、頭で考えて、更にそれで合っているのかどうか。。。と、口にだすまでにとにかく時間がかかるのです。
これを言語習得に当てはめると、
10歳前の子供の脳は、耳で聞いたことばをそのまま口にすることが可能ですが、
反して、大人の脳は、耳で聞いた ”ことばの文法は正しいだろうか?” ”発音は間違っていないだろうか?” など考えることが邪魔してなかなか口に出せません。
これは言語習得において、とても大きな障害物になります。なぜなら、ことばは実際こえにだして使うことで会話力が身につくからです。
そしてさらに、この研究では大人の脳になる10歳まで、日常で使われていた言語は、その後使わなくても生涯忘れないというのです!!
でも、この10歳の区切りは確かなものかな?
これから、実際のケースでこの驚きの10歳の区切りを紹介します。
ケース1:海外で生まれた3きょうだい
ここではマレーシアで生まれた、私の夫とその妹弟のケースを紹介します。
- 私の夫:マレーシアで10歳まで生活 → ブルネイで15歳まで生活 → オーストラリアへ移住
- 夫の妹:マレーシアで6歳まで生活 → ブルネイで11歳まで生活 → オーストラリアへ移住
- 夫の弟:マレーシアで3歳まで生活 → ブルネイで8歳まで生活 → オーストラリアへ移住
夫と妹はマレーシアで中華学校に通い、
学校での言語は北京語(マンダリン)。家族の言語は福建語(ホッケン)と英語。
その後、夫家族はブルネイに移住し、3きょうだいは英語学校に通い、
そしてオーストラリアへ移住、、となります。
ここで注目してほしいのが、何歳まで英語以外の言語にふれていたか?
です。
- 夫は10歳までマレーシアの中華学校で毎日北京語の授業をうけ、その後、北京語からはなれましたが、現在でも北京語と福建語が話せます。
- 妹は6歳までに1年間ほどしか中華学校に通っていません。妹は現在、北京語は話せませんが、11歳まで毎日家族で話していた福建語は現在も話せます。
- 弟はブルネイの英語学校に通っていました。家族の言語である福建語をオーストラリアに移住する8歳まで話していたそうです。、、、が、弟は現在、その福建語も聞いて理解できる程度で、話せないそうです。
あの ”10歳までの脳のメカニズム” の研究結果にはもう一つ大切なことがありました。それは、私が最初にふれた ”落とし穴” です。
”10歳まで日常で使われていた言語は、その後使わなくても生涯忘れない。”
だけれども、
”10歳以前に日常で使うのをやめてしまった言語は、全て忘れてしまう。”
というのです!!!
もう一つ、今度は日本から海外に渡ったケースで見てみましょう。
ケース2:日本で生まれた兄妹
この兄妹は日本で生まれ、お父さんはノルウェー人、お母さんは日本人です。
- 兄:10歳まで日本の小学校にかよい、その後オ-ストラリアへ移住。
- 妹: 7歳まで日本の小学校にかよい、その後オ-ストラリアへ移住。
ここでもあの ”10歳までの脳のメカニズム” があてはまることになります!
この兄妹のお母さんは、オーストラリアに移住したあとも、家では子供たちに日本語で接しました。
- 兄は日本で10歳まで毎日使っていた日本語を、オーストラリア移住後も、お母さんと話すことで、大人になってからもキープしました。
- いっぽうの妹は、日本で7歳まで毎日、日本語をはなしていたはずなのですが、オーストラリアで学校に通うようになり、英語がどんどん強くなっていき、徐々に自分の話す日本語の発音が変だと思うようにさえなり、お母さんとも日本語を話さなくなったというのです。大人になってからは、日本語を聞いて理解することはできるようですが、話すことはできません。
まとめ
今回は私がバイリンガル教育において、ずっと指標にしてきた ”10歳までの脳のメカニズム” について紹介させていただきました。
”バイリンガル教育は早ければ早いほどよい”
という私の思いは、上のケースにもあるように、10歳よりも早ければ早いほど、ことばが自然と耳にはいり、すぐに口にすることができるからです。
それにより、ことばの上達は早くなりますし、ネイティブの発音もみにつけられます。
それから、バイリンガル教育を始めるお子さんが、小さければ小さいほど、バイリンガル教育に役立つことを親が上手く習慣づけることができます。
ただ、ぜったいに忘れてはならないのは、最低でもそのお子さんが10歳になるまでは、バイリンガル教育を続けることです。
10年は長いようであっという間でした。
何か目標があると、めざすものに向かって計画もたてやすいですし、このブログが少しでも必要なかたのお役にたつことがあればうれしいです。
次回はこの10歳までの脳のメカニズムを指標として取りくんだ、私のバイリンガル育児のまとめをおつたえします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。