こんにちは、 Aki です。
体験入学とは、日本へ一時帰国の際、お子さんを日本の学校へ短期間通わせることです。
私の娘も、小学2、3、4年生の頃に体験入学をさせていただきました。
(その後、コロナ禍になり現在にいたります。)
体験入学は海外で生活する子どもたちが、日本で同年代の子どもたちと一緒に学び、あそぶ環境を共有することのできる、貴重な体験です。
ものごとには、いいことがあれば、かならずその反対もあります。ですが、前もって知っておくことで、防げることもあります。
今回は体験入学のメリット・デメリットを私たちが経験したこと、友人からの声もまじえて、いろいろな角度からまとめて行きたいと思います。
ぜひ参考になさって、楽しい体験入学生活を送るヒントにしていただけたら嬉しいです。
この記事はこんな方におすすめです。
・バイリンガル教育、育児に興味のある方
・日本での体験入学のメリット・デメリットを知りたい方
・これから体験入学を検討、予定されている方
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
体験入学のメリット
日本の文化にふれる
学校の登下校
オーストラリアでは子どもが小学生のうちは保護者が子どもを送迎するのが一般的です。
それに対し、日本では子どもがひとりで小学校に通いますから、オーストラリアと同じように登下校する国に住む家族であれば、初めは親も子も内心不安なこともあるとおもいます。
娘には見せないようにしましたが、私の方が不安に思っていたと思います。
ですが、、、
娘もそれまで親と一緒に登校するのが当たり前のように生活してきた中から、”ひとりでも学校の登下校ができた!”ことで、娘の自信にもつながったと感じました。
給食係・掃除当番
オーストラリアの学校では給食が無いので、給食係というものも存在しませんが、生徒に教室の掃除をさせる当番も存在しません。
娘にとっても、この給食係と掃除当番は本当に新鮮に感じたようです。
自分たちで、配膳、掃除をすることで、きれいに使おうとか、責任感をもつ気持ちになるでしょうし、みんなで協力することで協調性もうまれます。道徳的な観点からも日本の給食係、掃除当番は素晴らしい教育だと思います。
放課後にお友だちとの交流
学校の登下校を娘1人でさせたときと同じくらいか、それ以上に放課後に”お友だちと遊びに行ってくるね!”となった当初はドキドキしました。
最初の体験入学は小学2年生の頃でしたし、もちろんオーストラリアではこの歳の子どもをひとりで外出させることなどありえません。
初めのころは、娘が遊びにいった場所に何度か様子を見に行ったりもしました。
お友だちと一緒に楽しそうに遊んでいる娘をみて安心しましたし、やはりここでも娘の自立心が養われたと感じました。そして、私自身の娘に対する過保護さから、娘の自立心をそいでしまっていたかもしれないと気が付いた点もあり、親子でそれぞれ気づきのときでもありました。
生きた日本語にふれる
日本に滞在することだけでも、生きた日本語にふれることに間違いないのですが、体験入学では同じ歳の子どもたちと肩をならべて、一緒に学び、遊び、その中でふれる日本語は、まさに生きた日本語教育になります。
それは、同年代の子どもたちにはどんな
- 人気のアニメやテレビ番組があるのかを知ったり
- 流行りの歌があるのか知ったり
- おすすめの本があるのか知ったり
- ことばの表現があるのか知ったり など
同年代にひびく言葉であったり、人気のアニメ、本、歌であったりは、やはり同じように興味をもちやすいですし、日本語を学ぶ意欲も増します。これは海外で親とだけ話す日本語からでは、学ぶことはできません。
子どものアイデンティティ確立のささえ
アイデンティティってなんだろう?
アイデンティティとは、”自分らしさとは何だろう?” ”自分の生きがいとは何だろう?”と、自分がそれまでに経験してきたことや体験してきたことなどをふまえて、”自分”というものを確立していくことです。
バイリンガルの子どもは、アイデンティティ確立の過程で ”自分はいったい何人(なにじん)なんだろう?”と悩む時期が多かれ少なかれあるそうです。
そうしたときに、その国のことばをしっかりと話せていることに加えて、文化や習慣を理解している子どもは、うまく悩みを回避することができるようです。
体験入学はことばの学習のみならず、文化や習慣を肌でかんじることができるため、アイデンティティの確立にも良い影響力をもつことになるでしょう。
体験入学のデメリット
一貫性がない
日本でも海外交流の盛んな地域ですと、海外からの留学生受け入れを推進している学校も多いことと思われますが、”体験入学”においては、認識が学校や教師にもたれていないことがあります。
それにより、学校によって、教師によっても対応はさまざまです。
以下にその例をあげてみます。
- 校長の決定で”体験入学受け入れ”が決まるので、校長が変わると、受け入れしてもらえないこともある。
前年に体験入学させてもらった学校だとしても、新任の校長が体験入学を受け付けるとはかぎりません。
- クラス担任により、体験入学生の受け入れ方に違いがある。
体験入学生の受け入れに理解のある先生ですと、事前に教室の生徒に、体験入学生が来ることの説明や心得があったり、親とのコミュニケーションを連絡帳のようなものでとってくれたり、お別れ会や教室の生徒からのメッセージをまとめたものを準備してくれる先生までいらっしゃいますが、どの学校でもおなじように対応されるものではありません。
親のサポートが不可欠
体験入学の受け入れ可否の相談から、実際に体験入学の日程を学校と取り決めたり、最初にやらなければならないことは勿論のこと、お子さんが体験入学に通われた後にも、親のサポートが必要になってきます。
- 持ち物リストの確認
日本では海外の学校で使うことがない持ち物が必要になることが多々あり、お子さんと時間割を確認してサポートすることが必要になってきます。
- 宿題
海外の小学校(少なくともオーストラリアでは)、子どもはのびのびと外で遊ぶことに重点をおいている学校が多く、宿題が出るということは少ないです。日本の学校では、毎日宿題がでて当たり前。学年が進んできますと、漢字も増えてきますので、親の読み書きサポートが必要になってくる場合もあります。
いじめ
日本語の初歩的な間違いや発音をからかわれたり、学校の先生から体験入学生が特別扱いを受けていると感じる他の生徒が、体験入学生をよく思わないなどが引き金になることもあるようです。
対策としては、
- 親が子どもの少しの変化にも注意を払う
- 親が学校側と連絡をとる
- 学校側が体験生を受け入れる前に、体験生への理解を深めるように、教室で話をする など
いじめとは違いますが、海外からの体験入学生が ” 英語を話してほしい!” とほかの生徒に終始言われることは、お決まりのようです。
まとめ
【日本へ一時帰国:体験入学②】メリット・デメリットを、私たちが経験したこと、友人からの声もまじえて、いろいろな角度からまとめてみました。
メリットもあればデメリットになることもありますが、多くの場合、親のサポートがあれば、楽しく実りのある体験入学が送れることと思います。
体験入学は、海外では体験することのできない、生きた日本語の学習を、文化や習慣を子どもが肌で感じながら学ぶことができる、素晴らしい体験です。
機会があれば、是非お子さんに体験させてあげることをおすすめします。
次回は私たちの実体験した思いがけないハプニングありの体験入学のながれを10にまとめておつたえします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。