こんにちは Aki です。
近年、海外で生活される日本人の数は上昇傾向にあるようです。
お子さんさんがいるご家庭では、お子さんへの日本語教育を考えている方、実践されているかたは少なくないと思います。
私もその一人です。
私はオーストラリアで娘を出産しました。娘は現在12歳で日本で言うと中学1年生(2022年現在)。英語、日本語、中国語をはなせるトリリンガルです。
この記事はこんな方におすすめです。
・バイリンガル教育に興味のある方
・海外移住/永住される方、されている方
・海外転勤される方、されている方
・海外でバイリンガル育児にいきづまっている方
まず、海外でお子さんに日本語教育を考えるうえで一番大事なことは、お子さんにどれだけの日本語レベルを最終的に求めるかをきめることです。それにより、その後の教育の選択方法が変わってきます。
お子さんに求める日本語レベル別に、どのような学校が選ぶ対象になるのか、また、オーストラリア永住権をもちあわせていない場合のオーストラリア公立学校費用もご紹介します。あわせて、私が実際に娘の日本語学習に利用したツールもまとめてみます。
- オーストラリアの公立幼稚園から高校で教師のアシスタント経験をもつ
- オーストラリアで現役公立幼稚園、小学校の教師のアシスタント
- 英語、日本語、中国語のトリリンガル育児で娘を育てる
特技:リサーチ力、計画を立てること、子どもに好かれる
いろいろな国の文化や、ことばのバッググラウンドをもつ生徒たちや、教師たちとのなかで、日々”ことば”がもつパワーを感じて生活しています。
子どもに求める日本語レベル
このレベルを考えるうえで大切なのは、あなたのお子さんが将来、どの国を拠点にして生活するのかです。
① 将来、日本に帰国
将来、お子さんが日本に帰国し、日本の学校にもどられたり、または受験する場合です。この場合、親の海外転勤や、英語習得のためなどで、一時的に海外生活される家庭のお子さんなどが当てはまるかと思います。
学年によっても対応は変わってくると思いますが、学年が高ければ高いほど、ハードルは上がります。
日本人学校
滞在される場所に日本人学校があれば、日本人学校に通うことが選択のひとつになるでしょう。
日系企業の駐在員さんであれば、日本人学校のある場所では、日本人学校に通うことを推奨している会社もあるようで、その他の学校にお子さんを通わせたいときは、自費になる場合もあるそうです。
✔ 日本に帰国の際、お子さんを帰国子女枠で受験させたいとお考えの場合、海外の滞在年数条件なども学校によって違うようなので(平均1,2年以上)、受験したい学校の概要をよく確かめる必要があります。
✔ 海外で日本人学校に通われていたお子さんは、日本に帰国の際、帰国子女枠での受験ができない学校もあるようなので、そこも考慮しておく必要があります。
下に、私が実際にであったご家庭のケースを紹介します。
中国に滞在していたときに、日本から来た駐在員のご家庭に中学3年生の受験生の娘さんがいました。
ご両親は英語の勉強のためということでアメリカンスクールに娘さんを通わせていました。
その後、滞在期間1年未満で日本に帰ることになり、(帰国子女枠が該当しないため)日本の一般高校受験の準備と、アメリカンスクールの宿題、日本語補習校の宿題、、、と大変な苦労をされていました。
インターナショナルスクール、現地の学校
滞在される場所に日本人学校が無い場合、インターナショナルスクール、もしくは現地の学校となります。
駐在員の家庭のお子さんでしたら、学校の費用が会社負担になるのが通常ですので、インターナショナルスクールに通わせるのが通例になると思います。
国によっても違いがあると思いますが、オーストラリアでは永住権または市民権をもっていないかぎり、公立学校でもインターナショナル枠として高額な学費がかかります。
参考までに2020/2021年のニューサウスウェールズ州の temporary resident studentの1年間の公立校の学費は下記の通りです。
- 小学校 ー 5600ドル ( 1ドル85円換算で476,000円 )
- 中学校 ー 5600ドル ( 1ドル85円換算で476,000円 )
- 高校 ー 6400ドル ( 1ドル85円換算で544,000円 )
参考:Australian public schools-who pays who does not?|SABLE INTERNATIONAL
お子さんの学年で対応も変わってきますが、
年齢が低ければ低いほど、英語ばかりの環境のなかで、お子さんが日本語を話せなくなる事も起こりえるかもしれません。
日本人学校のない場所、またはインターナショナル、現地学校にお子さんが通われる場合、補習授業校があれば、週末に通われることを強くお勧めします。補習授業校さえもない場合、その他オンライン学習や日本からの教材をつかった日本語教育が必須になってきます。
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② 海外永住
海外に永住されている方のなかにも、お子さんに求める日本語レベルによって、対応は変わると思います。
日本人学校
日本語教育において、とても意識が高いご家庭では、海外で生まれたお子さんを、現地校には入れず、日本人学校に通わせるというご家庭もあります。
現地学校
海外で生まれた大半のお子さんは、現地の公立、私立学校へ通われるかと思われます。
第二言語学習が日本語の小学校をえらぶのも、一つの方法です。
そうすることで、日本語にふれる時間がいくらかでも増えますし、読み書きの練習にもなります。
私の働いている幼稚園/小学校でも第二言語学習が日本語の学校があり、ご両親が日本人、または国際結婚された日本人を片親に持つ生徒さんも通われています。
数は少ないですが、日本語*イマージョン教育の学校を選択するのも有効だと思います。
*教科として外国語を習うのではなく、他の教科(算数、理科など)を外国語で教える学校。日本語イマージョン教育の学校では、算数、理科なども日本語で授業を行います。
余談になりますが、
オーストラリアの中学校以上では日本語のバックグラウンドがある生徒(両親が日本人または 両親のどちらかが日本人 ) の場合、*日本語の教科選択が基本できません。他の外国語を選択するしかありません。
*バックグラウンドの生徒用クラスが別に用意されている学校では選択可能です。学校、州により規定も変わります
私が海外で利用した日本語学習ツール
有効だと感じた日本語学習ツールをどのように利用したか、参考にしてみてください。
補習授業校
娘が幼稚園児のころ、中国で補習授業校の幼稚部にかよわせていました。
日本人駐在員さんのお子さんがほとんどで、休み時間も日本語の環境にありました。
最初に幼稚部に入る前に、面接もありました。
補習授業校では日本語以外の使用は禁止ときびしく決められていました。
絵本のよみきかせ
娘が赤ちゃんのころからずっと続けていました。
娘が自分で文字を読めるようになった後も、
娘に絵本を声に出して読んでもらった後に、私が少し難しい本を読んであげて、わからない言葉をおしえてあげました。
本のよみきかせは、夜寝る前のルーティンにしていました。
日本語ドリル
ドリルは100均で購入したものなど使用していました。
幼稚園から帰ってきてから、はじめは10分間だけ。
私はドリルを”ゲームブック”と呼んでいました。
勉強させられてる、、、と娘に感じてほしくなかったのと、習慣をつけるためでよかったので、楽しくはじめました。
ドリルといっても、迷路であったり、番号どおりに色を塗ったり、はさみで切って貼り付けたり、、、と娘にしては楽しい遊びでした。
勉強癖をつけるのには良いスタートだったと思います。
日本語番組
夫が夕飯などを一緒に食べられない日は、
決まってサザエさんとちびまる子ちゃんを娘と見ながら夕飯を食べていました。
日常生活と学校をベースにしたお話なので、娘も楽しく見ていました。とくにサザエさんは、時にむずかしいことばの表現が出てくるのですが、映像とともに意味が理解しやすく、娘はサザエさんから習得して使っていた慣用句などありました。
今でも娘は日本のアニメが大好きです。毎日、私と話す日本語以外で娘の耳に入る日本語はこのアニメからです。
音楽
娘が小さいころには、車の移動で日本の童謡を聞かせていました。
小学生になってからはアイカツ、プリパラのアニメソングが大好きでした。中学生になってからはYOASOBIの歌など。
外国の歌を歌うのは難しいですよね。それを楽しみながら、同時に語句も覚えられるので音楽は最高のツールです。
お風呂ポスター
小さいお子さんを持つ、日本人のご家庭であれば、どこの家にでもあるであろうお風呂ポスター。
ポスターを見ながら、シェービングフォームでシャワールームの壁やガラスにひらがな、カタカナ、を書く練習をさせたりしました。
たのしく覚えられるのが1番です。
体験入学
体験入学は日本語習得、文化習得の両方に影響が大きかったです。
>>>体験入学を詳しく知りたい方は、下記のリンクからどうぞ。
>>>娘の体験入学をまとめた記事に興味のあるかたは、下記からどうぞ。
教科書
日本国大使館または領事館から、申請するといただける日本の教科書は大切な日本語学習ツールでした。
私は、娘が小学校6年生まで、算数の教科書を使って勉強させていました。
日本語の読み書き、読解そして算数の勉強が1冊でできるのでおすすめです。
でも。。。
私が横について、読めない漢字を教えたりしながらの勉強方法だったので、かんたんではないこともありました。
お互いに時間を作らなくてはいけませんし、教える私にも忍耐が必要になることも多々ありました。
とくに娘が高学年になるにしたがって、その難しさが増してきました。
日本語を話す友達と遊ばせる
小学校に入る前でしたら、現地で生まれたハーフの日本人のお子さんでも、日本語を話せる割合は高いと思います。
子どもは、思いっきり遊ぶことが大切ですし、遊びながら日本語にふれ、楽しくおぼえらるのが1番です。
また、その友達の日本人のお父さん、お母さんと小さいころから日本語で接していると、大きくなってからも、日本語で接するのがごく自然なかたちになります。
娘は、お友だちの日本人のお母さんと話すときは、いまでも日本語です。
掛け算を九九で教える
これはある程度、お子さんが日本語で数の理解が無いと逆に混乱になるかもしれませんが、
日本語で数が理解できるのであれば、九九でおぼえさせるのがおすすめです。
、、、というのも、
英語では日本の九九のように、リズムでおぼえるようなものが無く、
ひたすら努力して暗記です。
オーストラリアの小学生は5,6年生になっても、掛け算がわからない生徒がいます。
掛け算はどんなに環境が変わっても、1度覚えたときの言語であたまに生涯残るようです。
例えば、
娘も九九でおぼえたので、オーストラリアの数学の授業で計算するときに、掛け算は九九で考えるといいます。
夫はマレーシアの中華小学校で掛け算を覚えたので、英語の図面をみて仕事をしていても、掛け算は中国語で考えるのだそうです。
>>>【海外在住:子どもに九九でかけ算をおしえるメリット・デメリット】楽しくかけ算を覚える方法!
散歩
これをツールと呼ぶのは違う、、、と思われそうですが、私にはとても大切な、”娘との日本語の時間の取り方”です。
とくに娘が大きくなって、小学校高学年にもなりますと、友達とパソコンで遊ぶのが忙しくなってきました。
もちろん全て英語です。
コロナが始まったタイミングもあったので、散歩する機会が増え、日課のようになったのもあります。
娘と散歩するときはずっと日本語ですし、学校のこと、友達のこと、いろいろと話してくれるので、親子のコミュニケーションをとるうえでも大切だと思っています。
まとめ
今回は、【海外で子供に日本語教育】をテーマに、いろいろな事情で海外に生活されている家庭のお子さんにどうやって日本語を学ばせるか、そのお子さんに求める日本語レベルに分けてお伝えしました。
私が実際、娘に日本語を学習させるときに利用した日本語学習ツールも
まとめてみました。
海外で子どもの日本語を維持するためには、親の努力なしではなかなか上手くいきません。
ですが、大切なのは親も子どもも出来るだけ楽しく、一緒に学んでいくということです。
このブログが少しでも誰かの参考になるとうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。